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鉄道ネタ各種

金木の岩木山

080805金木で見る岩木山

「や! 富士。いいなあ。」と私は叫んだ。富士ではなかつた。津軽富士と呼ばれてゐる一千六百二十五メートルの岩木山が、満目の水田の尽きるところに、ふはりと浮んでゐる。実際、軽く浮んでゐる感じなのである。したたるほど真蒼で、富士山よりもつと女らしく、十二単衣の裾を、銀杏の葉をさかさに立てたやうにぱらりとひらいて左右の均斉も正しく、静かに青空に浮んでゐる。決して高い山ではないが、けれども、なかなか、透きとほるくらゐに嬋娟たる美女ではある。
「金木も、どうも、わるくないぢやないか。」私は、あわてたやうな口調で言つた。「わるくないよ。」口をとがらせて言つてゐる。 「いいですな。」お婿さんは落ちついて言つた。(太宰治津軽」より)

津軽鉄道2日目、この日も太宰治の故郷、金木にやってきました。この日は朝から空気が澄んで、太宰の言葉通り岩木山はふわりと南の空に浮かんでいました。メロス号と岩木山の光景を壁紙サイズ(1280×800)でご覧下さい。併せてトップイメージも同じ画像に変えてみました。