冬の中国蒸機撮影ツアー、黒竜江省の次は遼寧省、瀋陽から西に約200kmにある阜新市にやってきました。同じ中国東北地方でも黒竜江省と遼寧省ではずいぶん気温が違い、氷点下なのは相変わらずなのについ「暖かい」という言葉が出てきます。
この街でのお目当ては旧・阜新砿務局、現・阜新砿業集団鉄路(Fuxin Coal Railway)の粉塵投棄列車です。写真は正月元旦午後、投棄線の東南側から超望遠で捉えた投棄シーンです。噂には聞いていましたがこれはかなりの迫力です。下にうっすら見える機関車との対比で大きさを想像してみて下さい。
この大噴煙の正体は石炭火力発電所の燃えかすです。二つある発電所のうち、新しい方は粉塵が拡散しないように発電所に水で湿らせる装置があるそうで、このように大噴煙になるのは古い方の燃えかすなのだそうです。この写真は粉塵ではなく鉱山のズリ捨て列車ですが、粉塵列車もこんな感じで街をバックに推進運転でボタ山の投棄線に登ってゆきます。
前日に北西側から撮った粉塵投棄シーンはこんな感じです。翌日よりだいぶ距離が近いところからの撮影なので、ここから見た噴煙はまさに天高く登ってゆく感じでした。
投棄線のボタ山は地中で発熱してして、ところどころから水蒸気が吹き出しています。そんな中を投棄を終えた列車が下ってゆきました。この粉塵列車、当局にしてみればあまり撮ってほしくないのは確かなようで、二日目に超望遠撮影になったのも、公安が近くで撮影しようとしていた私たちを排除したのがその理由です。あのアングルもそれはそれで悪くはなかったのですが、間近からドンと撮ってみたかった気はします。
ちなみに噴煙は出ていませんが、Googleマップに粉塵列車がしっかり写っているのには驚きました。「41.957184,121.620432」がまさにその場所になります。